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美味しい淹れ方【かんたん温度調整編】

コーヒーの味に影響を与える要素としては、大きく分けて次のものがあります。

1. 豆の種類・品質
2. 焙煎度合い
3. 焙煎鮮度(焙煎後3日後くらいから2週間くらいまでがピークと言われています)
4. 豆の挽き方・挽いた時期(直前がベスト!)
5. 使う道具
6. お湯と粉の比率
7. お湯の温度
8. 注ぎ方

このうち、1〜3は購入時とその後の保管状態で決まってしまいますね。

残りは抽出時に自分でコントロールできる部分ですが、その中で今回は「6.お湯の温度」について。

酸味は比較的低い温度からでも抽出されます。
一方で苦味、甘みといった成分は温度が高ければ高いほどよく抽出されますが、同時に雑味、えぐみといった、あまり入って欲しくない成分も抽出されやすくなります。

例えば、もともと苦味成分が少なく酸味成分の多い浅煎りの豆を低温で抽出すると、より酸味が強調されたコーヒーに、逆に酸味成分が少なく苦味成分の多い深煎りの豆を高温で抽出すると、ますます苦味ばかりが強調された味になりがち、ということになります。

ざっくり簡単にいうと、
 浅煎り→湯温高め
 深煎り→湯温低め
ということを覚えておいていただければ、より美味しく飲める確率が高くなります。

ちなみにCRUISE TOWNでは、
 浅煎り→92〜90℃
 中煎り→88〜85℃
 深煎り→83℃
で淹れています。

ただ、高品質なスペシャルティコーヒーの浅煎りであれば、沸騰直後のお湯で淹れた場合と90℃くらいのお湯で淹れた場合を比較しても、それほど味が変わらなかったりします。
雑味となる成分が少ないためか(これは勝手な推測です・・・)、沸騰直後のお湯で淹れてもあまりネガティブな印象は出てきません。
多分これが、浅煎りコーヒーは沸騰直後のお湯がいいとか、90℃くらいがいいとか、人によって意見に幅がある理由じゃないかと思います。
さすがに80℃くらいで抽出すると、未抽出状態となって薄い印象になりますが。

でも、深煎りコーヒーとなると、いくらスペシャルティでもやはり沸騰直後のお湯で淹れると苦味が際立ち過ぎる印象です。
これまで深煎りコーヒーをグツグツ沸いた直後のお湯で淹れていた方、試しに少し冷ましてから淹れてみてください。
ぐっと角の取れた柔らかい印象の味わいに変わる可能性大です。

ということで、ご自宅で気軽に飲む分には1℃単位まで神経質になることもないと思いますが、なんとなく目安となる温度を知っておくだけで、焙煎度に応じてより美味しくコーヒーを楽しめるようになると思います。

もちろん、お家に温度計なんてない!という方も多いですよね。

でも、次の方法なら温度計がなくても誰でも簡単にちょうどいい湯温にできます。

ではさっそく!

マグカップ一杯分のコーヒーのかんたん湯温調整のしかたです。

【浅煎りの場合】

1. マグカップ2杯分のお湯を沸騰させます(約300cc x 2)。

2. 沸騰したら、1個のマグカップにお湯を満たし、カップが温まったらまたお湯をケトルに戻します。
(沸騰したお湯を入れるので、わりとすぐに温まります)

以上!
これでちょうど90〜92℃くらいのお湯に♪

続いて、

【深煎りの場合】

1. マグカップ2杯分お湯を沸騰させます。マグカップは2個用意してください。

2. 沸騰したら、2個のマグカップにお湯を満たし、カップが温まったらまたお湯をケトルに戻します。
(沸騰したお湯を入れるので、わりとすぐに温まります)

以上!
これでちょうど83℃くらいのお湯に♪

さらに。

飲む時の温度によっても印象はガラリと変わります。

淹れたての頃は、例えば浅煎りの場合は、華やかな香りやフルーティな酸味を感じやすく、冷めるにつれて甘い香りと滑らかな口当たりに変化していく傾向が強いです。

少し気持ちに余裕を持ってゆっくり楽しんでいただけると、どんどん変化していく香りや味わいの中で、「あ、超美味しい!」と感じる瞬間に出会えるかもしれませんよ。