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蒸らし時間の違いはどう味に影響するか?検証してみました。

蒸らし時間が30秒ってよく言うけど、蒸らしってなに?
そもそも蒸らしって本当に意味があるの?

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

蒸らしとは、コーヒーとお湯を馴染ませるための行程です。

コーヒー粉には微細な穴がたくさん空いていて、コーヒー粉が新鮮であればあるほどその穴の中に二酸化炭素が詰まっています。
事前に満遍なくお湯を行き渡らせることで、その穴に詰まった二酸化炭素をある程度外に逃がしてあげます。
そうすることで、本抽出の段階で全てのコーヒー粉にお湯が浸透しやすくなり、コーヒーの成分を十分抽出することができるようになるわけです。

と言うのが蒸らしの公式的な理屈です。
果たしてそれは本当でしょうか?

というわけで検証してみました!

まずは極端な方法で。
全く蒸らし無しで抽出してみます。

※この検証では、どの抽出方法でも粉:15g、注湯量:225g、湯温:88℃で統一します。

ちなみにCTでは通常、以下のレシピで抽出しています。
・1投目(蒸らし):30g・30秒
・2投目:105gまで注ぐ
・3投目:225gまで注いで終了(2'10"〜40"前後 ※豆による)

問答無用でしょっぱなからドバドバとお湯を注ぐ!

225gになるまで一気に注ぐ!

途中で何回かに分けてゆっくり抽出しないので、1’30”で抽出完了〜。

スピンするのを忘れてしまったため、コーヒー粉がすり鉢状で残ってしまいました。
これも極端に早く落ちてしまった原因かも。

色も薄め。

飲んでみると、やはり香りも味も全ての要素がうっすい。

シャバシャバです。

粉の量に対するお湯の量は変わらないので、これは完全に抽出がうまくいってない=未抽出状態であることがわかります。

(あとで思ったんですが、この方法でも、もう少しゆっくり注いだら多少は濃くなったと思います。
またいずれ試してみたいと思います。)

続いては、蒸らしを省いて1投目で105gまで一気に注ぎ、2投目で225gまで注いで終了する方法を試してみます。

2'30"で抽出完了。

時間としては、3投で分けるレシピとそれほど変わらない感じ。

飲んでみると、割としっかり抽出されているのですが、甘さが不足している印象。

その分、酸味・苦味が強く感じられ、全体としてバランスを欠いた味わいに感じました。

最後に、30秒蒸らすCTのレシピと、60秒蒸らす方法を比較してみます。

30秒蒸らした方は、2'50"、60秒蒸らした方は3'7"で抽出完了。

ほぼ、蒸らし時間分だけ時間差が出たことになりますね。

右が蒸らし30秒、左が蒸らし60秒。

色合いの違いはほとんどわかりませんでした。

さて実飲。

うん、明らかに蒸らし60秒の方が風味が濃いです。

※スタッフのわざとらしい表情は気にしないでください。

全員でブラインドテストも行いましたが、なんとなくこっちかなーというレベルでなく、全員が100%違いを判別することができました。

以上の結果から、蒸らしを行うことで、そしてその時間を長く取れば取るほど、コーヒーの成分がよりよく抽出されることがわかりました。

蒸らし時間をコントロールするだけでも、味の濃淡をコントロールすることができるわけですね。

例えば、蒸らし時間を長くする分、粉の量や挽き目を変えてみるとか、アイスコーヒーで抽出するときは蒸らしを長くするとかいう工夫もできます。

ただし、あまり長くし過ぎると、今度は雑味やエグ味がコンニチハしてきますので、その当たりは要注意です。

皆さんもぜひ色々と試してみてくださいね!