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マキネッタの美味しい淹れ方

じゃん。

今回はマキネッタの美味しい淹れ方をご紹介します。

マキネッタとは、写真のような直火式エスプレッソメーカーのこと。
沸騰した水の蒸気圧を利用して、通常のコーヒーよりもより濃厚な味わいのコーヒーを抽出します。

マキネッタ、モカ、モカエキスプレス・・・などいろんな呼称があって混乱しがちなので、最初にちょっと整理しますと、

・マキネッタ=直火式エスプレッソメーカーの総称。
今回ご紹介するビアレッティ(Bialetti)のほか、ALESSI、PEZZETTI、ILSA、VALIRAなどのメーカーがある。
他にも、モカ・ポット(Moka pot)やエスプレッソ・ポット(Espresso pot)なんていうふうに呼ばれたりもする。

・モカ=イタリアではマキネッタで抽出されるコーヒーは「モカ」と呼ばれ、エスプレッソと区別されている。
マキネッタは「直火式エスプレッソメーカー」と呼ばれているけど、マキネッタで抽出されたものは厳密には「エスプレッソ」ではなく、「モカ」・・・ややこしいな笑
確かに9気圧という圧力をかけて一気に抽出するエスプレッソに比べると、マキネッタは2気圧前後で抽出されるため、濃縮感はエスプレッソほどではありません。
エスプレッソとフレンチプレスの中間的な味わいと言ったら近いかも。

・モカエキスプレス(Moka Express)=ビアレッティ社のマキネッタの商標。イタリア本国では一家に一台は必ずあるとまでいわれているシェアNo.1商品であり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品にもなっている。あまりにも有名なので、マキネッタといえば「モカエキスプレス」を指すほど。

今回使用しているのは、このビアレッティ社の「モカエキスプレス」の進化バージョンの「ブリッカ(Brikka)」というモデル。

何が違うかというと、特殊バルブの採用でモカエキスプレスよりも高気圧で抽出できるため、エスプレッソマシンで抽出したようなクレマができる、というところ。

濃密なクレマは、口当たりを滑らかにすると同時に、香りを閉じ込める効果があります。

それでは、抽出してみましょう!

まず、本体をすべて分解すると、こうなります。

左からボイラー、バスケット、サーバー。
そして付属品の軽量カップ。

抽出の流れ・仕組みとしては、

ボイラーに水を入れ、コーヒー粉を詰めたバスケットをボイラーにセット

サーバーを上部にセット

直火にかける

ボイラー内の水が沸騰し圧力が高まると、お湯がバスケット内のコーヒー粉を通過して上部サーバーに移動する

ということになります。

モデルによって、本体内側に目盛りがついていたりするものもありますが、「ブリッカ」は計量カップで水を計ります。

こちらが特殊バルブ内蔵のノズル。

ボイラー内の圧力が十分高まると、真ん中の穴からシュコ〜!という音とともに一気にコーヒーが噴き出します。

「モカエキスプレス」には特殊バルブが内蔵されていないので、ボイラー内の気圧が一気圧以上になった時点でお湯が上がってきてしまいますが、「ブリッカ」は一定以上の圧力になるまでバルブが開放されないため、より高い圧力で抽出され、それによりクレマができるようになっているとのこと。

今回ご紹介しているブリッカは4杯用のモデル。
必要な水180mlを計量カップで計ります。

これでエスプレッソカップ4杯分、約170mlのコーヒーができます。

計量した水をボイラーに入れ、

バスケットをセット。

この状態だとバスケットが安定し、コーヒー粉の無駄が少なくなるので、私はこうしてからコーヒー粉を入れますが、バスケットを手で持ってコーヒー粉を入れてからボイラーにセットする人もいるかともいます。

そのあたりはお好みで。

続いてコーヒー粉を用意します。

使用するミルはTimemore C3。

マキネッタ用どころか、エスプレッソマシン用の極細挽きも余裕で挽けちゃいます。

このミルは、底面のダイヤルをカチ、カチと回し、そのクリック数を数えて粒度を調整します。

一番細かい状態(時計回りにそれ以上回せない状態)から反時計回りで10クリックにセット。

これ以上細かい(エスプレッソマシン用の極細挽き)と詰まってうまく抽出できず、(お湯が上がってこない)、ボイラーの安全弁から蒸気が抜けておしまい、ということになったりまします。

豆は、CTのエスプレッソで使用しているものと同じ、ブラジル・アルコイリス農園ブルボン・アマレロのフルシティ・ローストを23g使用。

豆の量は、焙煎度合いで変わってきます。

同じ重さでは焙煎が深いほど体積が大きくなるので、焙煎が浅いと23gでは足りなくなるかと思います。

使用する豆で調整してください。

挽いたコーヒー粉をバスケットに入れ、テーブルなどの上でトントンとして軽く詰めたら、コーヒースクープの柄の部分などで隙間や凸凹がなくなるように均します。

あくまで均すだけです。
エスプレッソマシンの時のように、タンパーでぎゅぎゅっとタンピングしたりしません。
詰まってしまって抽出がうまくいかなくなります。

また均すときに粉がどうしてもこぼれ落ちるので、お皿などの上でやると良いと思います。

そして、バスケットの縁やボイラーのねじ切りの間に付着した粉をきれいに拭い取ります。

これをしないと、吹きこぼれの原因になります。

サーバーをボイラーにねじ込んでセットします。

この写真では片手ですが(一人撮影の都合上笑)、実際は両手でボイラーとサーバーをしっかり持って、ぎゅっと最後まで締め付けます。

やはりこれも締めつけが緩いと吹きこぼれの原因になります。

いよいよ火にかけます。

ボイラーの底面からコンロの火がはみ出ないくらいの中火で。

ボイラー底面から火がはみ出ると、持ち手が溶ける恐れがあります。

しばらく静かすぎて「ん?大丈夫かな?」と心配になるかもしれませんが、唐突に「シュコ〜ッ!」という音がして、サーバー内のノズルから一気にコーヒーが出てきます。

この音がしたら火を止めて大丈夫です。

あとはボイラー内の与圧で最後までしっかり抽出されます。

抽出完了!

エスプレッソマシンで抽出したときほどのキメ細かいクリーミーなクレマではないですが、なかなかどうして、立派なクレマです。

モカエキスプレスだとここまでのクレマはできません。

分かりやすいように、抽出したコーヒーを一つのカップに全部入れてみました。

しばらくたってもクレマの層はしっかり残っています。

撮影した日は少し暑かったので、氷水で割ってアイスコーヒーとして飲んでみました。

いわゆる「アイスアメリカーノ」とか「アイスロングブラック」という飲み物に近いものになります。

コーヒー:水=1:3

くらいを目安にします。

前述したように、エスプレッソマシンで入れたエスプレッソほどの濃縮感はなく少し穏やかで軽い印象になりますが、ドリップやフレンチプレスで抽出したときよりもしっかりとボディのある味わいを楽しむことができます。

お湯で割れば、ホットコーヒー(ホットアメリカーノ)に、ミルクで割ればカフェラテにも!

自宅にエスプレッソマシンが無い方でも手軽にいろんな味わい方を楽しめるのが魅力ですね。

慣れてしまえば、ハンドドリップのように細かいことを気にしなくていいのもgood。

そしてもう一点、大事なこと。

マキネッタは洗剤を使って洗うのはNGなんです。

すべてのパーツは水洗いだけでOK。

コーヒーの油分でコーティングされることによりアルミ臭さが解消され、コーヒー豆の風味を最大限に活かせるマキネッタになります。

鉄鍋のように「使って育てる」器具なんですね。

なのでアウトドアとの相性も抜群です!

ただし新品未使用のマキネッタは金属臭や工業油が残っていることがあるので、最初の3回ほどは抽出したコーヒーを捨ててしっかりコーヒオイルの塗膜を作ることが推奨されています。

サーバー底部のパッキン、フィルターも簡単に取り外して水洗いできます。

いかがでしたでしょうか。

カフェラテが好きだけど、家にエスプレッソマシンがない・・・という方、マキネッタさえあればいつでもカフェで飲む味に近いカフェラテが楽しめちゃいますよ。

またマキネッタで作ったコーヒーを作りためておいて、ラテベースのような使い方をするのもいいと思います。

それでは、楽しいマキネッタライフを!