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【アップデート版】美味しいドリップコーヒーの淹れ方 「浅〜中煎り改良レシピ」と「深煎りレシピのポイント」

以前のブログでも紹介させていただいているCTオススメ美味しい淹れ方レシピをちょっとアップデートします。

アップデートのきっかけは、自宅で使っているケメックス。

ケメックス6カップ用を使っているのですが、最近あれ?と思うことが多く、何度淹れても、お店でHario V60を使って淹れる味と少し違うことが気になってました。

コーヒーってその時の体調や飲む前に何を食べたり飲んだりしたかによっても微妙に印象が変わります。

最初はそのせいかなとも思っていました。

また、その違いが抽出器具による単なる味わいの違いであり、ポジティブなものであればいいのですが、そういうわけでもない。

何度飲んでも変わらないので、これははっきりとした原因があると考え、Harioの方も含めて改めて見直してみました。

ケメックスはもともとペーパーフィルター設置面(ドリッパー部)にリブが全くなく、ペーパーがガラスにぴったり密着します。
空気の抜け道は注ぎ口となる太い溝一本。

ペーパーそのものも厚めにできているため、落ちる速度はV60よりも遅いです。

加えて6カップ用ということで、多めの粉と湯量なので、これまでのV60のレシピを流用して似たような淹れ方をしているとどうしても抽出時間は長くなりがち。

長いときは4〜5分ほどもかかります。

そのため、V60で淹れたときには感じられないネガティブな要素が気になりだし、「あれ?このコーヒー、こんなだっけな?」となっていたんですね。

浅〜中煎りの豆の雑味は抽出時間に大きく左右されます。

抽出前半ではそれほど顔を出さず後半でぐっと雑味が出てくるのですが、その影響が思ったよりも大きかったんです。

と同時に、もう一度検証を繰り返した結果、V60で淹れる場合でもこれまでのレシピでは、甘み、旨味といったポジティブな成分が十分抽出されておらず、若干バランスを欠いた、酸味が目立つ味わいになっていることがわかってきました。

そこで改めて試行錯誤。

これまでのレシピをベースに、さらに美味しい浅〜中煎り用の改良レシピをご用意しました。

雑味を出さないために抽出時間をこれ以上伸ばさないようにしつつ、かつポジティブなエキスをしっかりと抽出できるので、全体としてよりバランスの取れた味わいになります。

分量・挽き目・温度は従来のレシピと同じで、変わるのは抽出方法のみです。

【浅〜中煎り改良レシピ】

<一人分>
粉の挽き目:中粗挽き
粉の量:15g
お湯の量:225g(出来上がりは200g前後)
湯温: 88℃(中煎り)〜92℃(浅煎り)

まず、ペーパーをしっかりと湯通し(リンス)します。

浅煎りになるほど香りが繊細になるので、リンスしてペーパーの匂いをできるだけ取り除きます。

と同時に、狙った抽出温度を下げないよう、ドリッパーとサーバーを温める意味合いもあります。

サーバーに溜まったお湯は捨てます。

粉をドリッパーに投入。

ドリッパーを手に持って軽く振り、粉の表面を平らにします。

・1投目(蒸らし):15g・〜0’30”

蒸らしに使用するお湯の量は15g(従来のレシピでは30g)。

粉と同量の湯量と覚えるといいです。

粉全体にしっかりと水分を行き渡らせるため、マドラーなどでかき混ぜます。
遠慮せず思い切ってかき混ぜてください。

→なぜ蒸らしに使うお湯の量を減らしたかというと、浅〜中煎りのコーヒーの粉は、粉の内部の空洞が小さく、深煎りのものに比べて保水力が少ないため、粉の倍量のお湯を投入すると半分くらいはそのままサーバーに落ちてしまっていました。

蒸らし中にサーバーに落ちたコーヒーは、エキスが十分に抽出されていない液体であり、あまり美味しくないので、その量をできるだけ減らすため、半分としました。

この量でもしっかりかき混ぜれば、粉全体に十分に水分が行き渡ります。

・2投目:75g(TTL90g)・〜1’00”

お湯を刺さるように勢いよく投入します。

90gまで投入したら、ドリッパーを持って揺らす(スピン)など、しっかりと撹拌して粉に衝撃を与える。

このときお湯の注ぎ方は、ペーパーに直接かからなければあまり細かいことを気にする必要ありません。

ある程度勢いよく注ぎ、撹拌して粉に衝撃を与えることで、甘み、コクなどのポジティブな要素を多く抽出することを目的とします。

・3投目:135g(TTL225g)・〜2’10”〜40”

やはり勢いよく注ぎます。

225gまで一気に投入したら、ドリッパーを持って撹拌し、コーヒーが落ちきるときに粉が全てペーパーの底に平らに溜まるようにします(フラットベッド)。

コーヒーが落ちきったときの状態。

こうすることで、すべての粉が最後までしっかりお湯に浸かっている状態をキープすることができます。

全工程を2分10〜40秒くらいで終えるのが目安。

このレシピで抽出した浅〜中煎りコーヒーは、酸味だけでなく、甘み、コクなどのポジティブな成分が多く感じられて、全体としてより奥行きがありバランスの取れた風味となります。

【深煎りレシピのポイント】
深煎りコーヒーは基本、以前にご紹介したレシピのままで大丈夫です。
※ここからはまだ写真を撮っていません。後々追加するかもです。悪しからず。。

<一人分>
粉の挽き目:中粗挽き
粉の量:15g
お湯の量:225g(出来上がりは200g前後)
湯温: 85℃(中深煎り)〜83℃(深煎り)

・1投目(蒸らし):30g・〜0’30”
できるだけサーバーにお湯が落ちないように、かつ粉全体にしっかり水分が行き渡るようにそっと回し注ぎます。
※深煎りは粉の保水力が高いので、従来のレシピと変わらず蒸らしで使う湯量は30gで大丈夫です。

・2投目:60g(TTL90g)・〜1’00”
粉の真ん中に置くようにそっと注ぎ始め、外側に向かってくるくると回し注ぎ、外側まで行ったらまた真ん中に向かって回し注ぎます。
ペーパーに直接お湯がかからないようにしてください。
(ペーパーに直接かかったお湯は、コーヒー粉を通らずにそのまま下に落ちてしまいます)
ドームが盛り上がってくるので、それをできるだけ崩さないようにそっと注ぐことを意識します。

・3投目:135g(TTL225g)・〜2’10”〜40”
引き続きくるくると、全体に行き渡るようにそっと回し注ぎます。
できるだけドームを崩さないようにしますが、3投目後半はほとんどドームはなくなっているかもしれません(焙煎鮮度による)が、気にしなくて大丈夫です。
ただ、225gまで注いだら、ペーパーに固着した粉の壁は崩さないようにし、そのままコーヒーがサーバーに落ちきるのに任せます。
落ちきったときに、コーヒー粉が円錐状になってドリッパーに残っているのが理想です。

↓ここから解説

深煎りのコーヒーの場合は、浅〜中煎りほど味わいの繊細さは感じられにくいのですが、あえて言うならばイガイガした雑味が出やすいです。
これは、粉の中の空洞が大きくまた細胞壁も破壊されているため、浅煎りよりもコーヒーに含まれる成分がより抽出されやすい状態にあるから。

深煎りになればなるほど、焙煎時に生じる炭酸ガスが粉の空洞の中に多く含まれるため、お湯を注ぐと粉がよく膨らみドーム状になりますが、これをできるだけ崩さないように注ぐことが大切、という話はよく耳にされることと思います。
その理由として、ドームの表面に浮く白い泡が「アク」=雑味で、それをできるだけ落とさないようにするため、と言われますが、僕としては、その「アク」による影響は少ないと感じています。

実際、そのドームの表面の「アク」を少し取って口に含んでみると、その正体は微粉であることがわかります。
微粉はペーパーフィルターで濾されるため、下に落ちることはありません。

ではなぜドームを崩さないように淹れよと言われるのか。

これは、深煎りは抽出効率が高いため、浅煎りのケースとは反対に、できるだけ粉に与える衝撃を少なくする必要があるからではないかと思います。

ドームを崩さないように注ぐと、必然的にそっと注ぐことになりますよね。

深煎りは粉に含まれる水分が少なく比重が軽いので、そっと注ぐだけで自ら発するガスの力でお湯の中でよく浮遊します。

なので、浅煎りのときのように、勢いよく注いだり撹拌したりする必要がなく、むしろそうすると過抽出になってしまうのです。

また、ドームを最後まで維持して、最後まで落ちきる前にドリッパーを外す、というレシピもよく目にしますが、これも「アク」を落とさないようにするため、というよりは、過抽出を防ぐためのように思われます。

最後まで落ちきる前にドリッパーを外すためには、目標とする抽出量を得るために必要とされる湯量よりもさらに多めにお湯を投入する必要があり、その分、抽出されるコーヒーの成分は薄まるからです。

CTのレシピでは中粗挽きをおすすめしているので、時間内であれば最後まで落とし切っても過抽出にはなりづらいですが、もし少しネガティブな濃さを感じたら、少し多めにお湯を投入して目標とする抽出量になったところでドリッパーを外す、というのもありだと思います。

また深煎りの場合、飲んだときにちょっと濃いな、と感じたら少しお湯を足してもよいです。

浅煎りの場合、「濃い」と感じるのは往々にして酸であり、それをお湯で薄めてもシャバシャバなボディの弱いコーヒーになりがちですが、深煎りの場合はもともとエキス全てがしっかり抽出されやすいので、お湯で割るとちょうどよくなったりします。

エスプレッソをお湯や水で割って飲む「アメリカーノ」と似た飲み方になるわけですね。

また上記レシピの3投目で、コーヒー粉の壁を崩さないように落とし切る(粉を円錐状に残す)、というのも浅〜中煎りのレシピとの違いです。
深煎りの場合、壁を崩して粉を底に集めると過抽出になりがちだからです。

以上、ちょっと長くなってしまいましたが、浅〜中煎りの改良レシピと、深煎りレシピのポイントをご紹介しました。

ぜひ、いろいろ試して比べてみてくださいね!