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ペーパーリンスする?しない?問題

皆さんは、ペーパーフィルターでコーヒーを淹れる時、リンス(湯通し)します?それともしない?
昔からちょくちょくギロンの的?になるテーマですね。

リンスには、次の二つの目的があるとされています。

1. 紙の匂いを極力取り除くこと
2. ドリッパーとサーバー(もしくはカップ)をあらかじめ温めておくこと

2. は確かにやっておいた方が良さそうです。
特に寒い冬なんかに陶器製やガラス製のドリッパーやサーバーを温めておくことは、抽出中の温度の変化を和らげるとともに、抽出後のコーヒーが急速に冷めてしまうことも防げますしね。

じゃあ、1. はどうでしょう?

昔は塩素系の漂白剤を使っていて、その匂いや成分をできるだけ取り除く、ということには一定の効果があったようですが、今は少なくとも信頼あるメーカーさんのフィルターは無害な酸素系漂白剤が使用されているとのことで、ほとんど匂いは気にならないという話も聞きます。

大抵のコーヒーの教科書的な本には、リンスを「する」ように、と書かれているこのテーマ。
実際のところはどうなんでしょう?

ということで、比較検証してみました!

使用するペーパーは、「HARIO V60」の漂白タイプ。
もちろん、酸素漂白です。

まず念のために、お湯の色を比べてみます。

右はビーカーにお湯を直接注いだもの、左はリンスしたお湯。
左が少し黄ばんで見えるかもしれませんが、これは天井照明の影響で、実際の見た目は全くわかりません。

匂いについては、やはりリンス後のお湯の方がほんのわずかに紙の匂いがしますが、コーヒーの香りに影響を与えるほどではない気がします。

それではコーヒーを淹れてみます。

まずは浅煎りから。

右がリンスなし、左がリンスあり。
ペーパーに吸い取られるコーヒーの色が明らかに違いますね。
「リンスなし」ペーパーには、毛細管現象で、乾いた紙に水分とともにコーヒーの成分(もしくは色)がある程度吸収されていることがわかります。
一方で「リンスあり」ペーパーには、あらかじめ水分が吸収されているので、コーヒーの色がほとんど紙に吸収されません。
果たしてこれがどの程度、コーヒーの風味に影響するのでしょうか?

実際に飲んでみます。

・・・

むぅ。

ビミョー。。。

ひっじょうに微妙ですが、両者を比較すると

リンスなし → ラウンド
リンスあり → より酸の輪郭がクリアに

という印象。

これは、スタッフ数名で、かつブラインドテストを行った上での私たちの見解です。

ただこれは、両者を飲み比べて「んーーーどっちかというと、そうかなあ」という本当に微妙なレベル。
もしかしたら、同じ挽き目・分量・温度・時間で淹れているつもりでも、その何かが少し違って影響している可能性も無きにしもあらず。

ということで、今度は深煎りでチャレンジ。

さすが深煎り。

ペーパーに吸い取られる色も濃いですね。

肝心の風味は、やはり浅煎りと同様、リンスありの方がほんの少しキリッとした酸の印象を受けました。

色々調べてみたのですが、こうなる理由として「水と油」の関係が影響しているのでは、という仮説が一つあるようです。

つまり、「リンスなし」ペーパーだと、抽出の初期段階でコーヒーの油分が水とともに紙の繊維質を透過する。
したがって、コーヒーの油分も口に入るため、味がまろやかになる。
「リンスあり」だと、最初にペーパーにたっぷり水が吸収されているため、抽出時にはコーヒーの油分がその水の膜に弾かれてペーパーを透過することができない。
という説です。

もしそうであれば、抽出後のコーヒーの表面の油膜に違いが出るはず。
でも、実際に抽出後のコーヒーの表面を比べてみたところ、油膜らしきものに大きな違いは見られませんでした。
というか、両者ともほとんど油膜は見られませんでした。

むー。。。

と、ここまで書いていてふと気がつきました。

そういえば、コーヒーの成分には溶けやすさに差があるんだった。
最初にまず酸味が溶出し、その後甘味、苦味という順に溶け出していくんです。

浅煎り〜深煎りでお湯の温度を変えるのもこのためです。
※詳しくはこちらの記事をどうぞ。
https://cruisetown-coffee.com/news/621224c781dbb51c651525e4

ということは、もしかしたら「リンスなし」の場合は、抽出の初期段階で溶け出した酸味成分が、ほんの少しですが、水とともにペーパーに吸収されるため、酸味が弱く感じるのかも。

前述したように、最初にリンスして一旦紙に水分が行き渡ってしまえば、紙の毛細管現象は機能せずそれ以上のものを吸収できなくなってしまうので、「リンスあり」の場合は、酸味成分も余すことなく落ちるはず。

うん。

自分的にはこの仮説がなんとなく腑に落ちます。

ということで、今回の結論。

本当にわずかな差ではありますが、より酸の輪郭をしっかりと感じたい方は「リンスあり」で。
また、寒い冬には特に、ドリッパーとサーバーを温めておくという意味で「リンスあり」というクセを身につけておくと良いかも。

今度は折を見て、うっすーいレモン汁で検証してみようかな笑

あ、そうそう、無漂白のペーパーフィルターを使う場合は、リンスした方がいいですよ!
リンスするとお湯の色が明らかに薄い茶色になるし、紙の匂いもよりはっきりと感じます。
Abaca Filterを作られている三洋産業の社長さんもはっきりとおっしゃってるくらいですので。

それでは引き続き素敵なコーヒーライフをお過ごしください。

ごきげんよう。