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コスタリカ〜ベネズエラ コーヒー・カカオ農園訪問記 コスタリカ→ベネズエラ移動編

前日、後ろ髪引かれる思いでコスタリカの山中から首都サンホセのフアンサンタマリア国際空港近くのホテルに移動。

2:30AMに起床、6:00発のフライトで、一路パナマ経由ベネズエラへ向かいます。

そして現地時間の12:30、ベネズエラの玄関口シモン・ボリバル国際空港に無事到着。

ここでベネズエラについて少しおさらいしておきます。

ベネズエラは、南米大陸の北端、赤道よりちょっと上のカリブ海に面した国。

人口3000万人弱、うち首都カラカスに約500万人。

在留邦人はたった200人ほど。

世界最大の原油埋蔵量と南アメリカ大陸でも屈指の自然の豊かさを誇る一方で、政情不安が続いて一時は経済と治安が最悪の状態に陥り、今もその後遺症を引きずっている、というのが色々調べた上で僕が得た大雑把な情報。

ベネズエラ産カカオとコーヒーのダイレクト・トレードを行っているベネズエラ人の友人が案内してくれることになっていましたが、それでも数年前のネットの情報では、相当危険という内容が多く、不安が残っていました。

曰く、国際線ターミナルから国内線ターミナルに移動する間で強盗多発、街中では絶対携帯やカメラは持って歩いてはダメ、誘拐多発、警察もグル、殺人発生率トップクラス云々かんぬん。

脅し文句としては自分至上最高レベルで、在ベネズエラ日本大使館の最新情報によれば2016年をピークに凶悪犯罪は減少傾向にあるが、依然として中南米の中でも特に治安の悪いレベルで推移しているとのこと。

今思うと、やっぱりそれなりに肩に力が入ってたなと思います。

空港につくと、ガランとしたフロアになんとなく社会主義国的な印象を抱かせる簡素な装飾や故障して画面がちらつく到着便案内モニターが目に付き、不安感を煽ります。

入国審査の係官は、警察か軍のような立派な制服を身に着けていますが、少年少女のような年齢の人が目立つ。

長い行列の末にやっと到着ロビーに出たところで、迎えに来てくれていた友人のAlexと無事再会!

おーよかった!ありがとう!

到着ロビーは一転、比較的華やかな雰囲気。

あれ?意外と普通?と少し拍子抜けする。

すぐに車に案内される。

実はこのお迎えの車、フル防弾車だそうで、、

窓ガラスはこんな厚さ。

ドアはもちろん、タイヤもブレットプルーフ。

友人の車らしいが、数年前は確かに防弾車が必要だったが、最近は大丈夫とのこと。

大丈夫のレベルがいま一つよくわかりませんが、閉めるときのドスッというドアの重さが尋常じゃないことはわかりました。

そして今回のドライバー氏、実は警察官だそうです。

グアテマラなどでも移動の警護で警察官を雇えると聞いているので、中南米では一般的な制度なのかもしれません。

Alexもコロナ禍で帰国が叶わなかったため、実は4年ぶりの帰国中。

その間に随分様子も変わったとのこと。

ハイパーインフレに陥っていた自国通貨ボリバルからドル化が進み、経済は安定傾向。

それに伴って治安もだいぶ良くなってきているそう。
(ただ、治安の(多少の)回復には、生活苦から、あるいは安全を求めて数百万人が難民として国外に流出していて、犯罪の絶対数が減っているという側面もあるようで、一概に良かったとは言えないようです。)

確かに車窓からの街の景色は、華やかな装飾や新しめの遊園地なども目に入り、事前情報から想像していたような荒んだ雰囲気はそこまで感じられません。

↑カリブ海沿いのオープンエアのレストランで昼食。
ベネズエラの定番料理「ペスカド・フリット」(魚の丸揚げ定食?)をいただきました。
使われる魚は鯛が多いそう。
旨し!デカし!

昼食後、首都カラカス近郊のコーヒー農園へ向かいます。

空港周辺は海の直ぐ側まで山脈が迫っていて、首都カラカスはその裏側の900mの高地にあり、ハイウェイで30分ほどで一気に上り詰めます。

カラカスは想像以上に大きく、近代的な高層ビルが立ち並ぶ大都会。

その一方で中心部を取り囲む山の斜面には、パステルカラーの住宅がびっしりと張り付くように立ち並んでいて、遠目には可愛らしく見えるけど、近くで見ると窓ガラスもはまっていない、粗末なブロック作りの低層住宅であることがわかります。

おそらくこれが世界的にも有名なベネズエラの貧民街。

絶対に立ち入ってはならないと言われる危険地帯でもあります。

幹線道路沿いで子どもがなにかを燃やしていて、随分派手な遊びだなあと思ったら、どうやら被覆電線を燃やして中の銅を取り出そうとしていたらしい。

やっぱり状況は厳しいのでしょうか。

そうこうしているうちに、街の中心部に差し掛かるところで大渋滞にガッツリはまって車がほとんど動かなくなってしまい、あえなく初日のコーヒー農園訪問は断念。

このあとAlexの実家とビジネスパートナーのお宅にご挨拶に行き、早めにホテルにチェックインして初日の行動は終了となりました。

翌日は早朝からカカオの産地パタネモ村に移動です。

↑Alexの実家で、友人のダルベリス教授が作る絶品コーヒーのサンプルを試飲させていただきました。
フローラルとはまさにこのこと。コーヒーを飲んで初めて鳥肌が立ちました。まるで香水のような香りとシナモンの効いたジンジャークッキーのような甘くスパイシーな香りのゲイシャ。ぜひCTでも扱いたいところです。

↑ダルベリス教授はQグレーダーでもあり、メリダ地方のエル・パラミート農園とタッグを組み、科学的な手法を駆使してスペシャルティコーヒーを生産。
2023年、Alexを通して実に22年ぶりに日本にベネズエラ産コーヒーを輸出しました。
SCAJ2023にも出展しています。

続く
https://cruisetown-coffee.com/news/65be1b1979443d7a3ac7c25b